★ワクチンのすすめ


<ワクチンについて>

その猫が持つ免疫力によって違いますが、ワクチン接種により症状が出るのを抑えるもので、感染しても軽症ですみ、命を落とすことが防げるというものです。
 健康な時に、前もって病原体を体内に接種して、その伝染病に対する免疫抗体(害になる病原菌の侵入から身体を守るタンパク質)を作らせることがワクチン接種の目的です。
 完全室内飼いの猫であっても、どこから病原菌が家に入ってくるか(人の衣服についてきたり、人の靴からなど)分かりません。 副作用や腫瘍ができたりとかのリスクも確かにありますが、病気を防ぐ恩恵の方が多いので、猫の健康のために接種をしておく事をお勧めします。


ただし、夏場のワクチン接種はなるべく避けてください。
ワクチンとは毒素が弱められたウイルス(病原菌)そのものです。
これを、猫の体にその弱められたウイルスを入れることによって、白血球が活発に働き、ウイルスを無害にする免疫抗体を作ってくれるのです。
なので夏、猫の体力が落ちてしまうと逆に病気を招きかねないのです。


※普段と違って元気がないときは接種は避けてください。(食欲がない・下痢気味・熱があるなど)


他にこのような症状が見られる場合も避けて、かかりつけの獣医の先生とご相談ください。
・最近気になる症状がある、疾病にかかっている。
・重篤な腎不全、心不全。
・以前に、ワクチン接種により重篤な副反応がみられたことがある。

◆<予防できる伝染病>

抗原名  抗原形態  標準ワクチン形態  重要度   予防する感染症
 猫パルボウイルス  生・不活化  混合  ◎  猫汎白血病減少症
 猫ヘルペスウイルスⅠ型  生・不活化  混合  ◎  猫ウイルス性鼻気管炎
 猫カリシウイルス  不活化  混合  ◎  猫カリシウイルス感染症
 猫白血病  不活化  単味・混合  ○  猫白血病ウイルス感染症
 クラミジア  生・不活化  混合  ○  猫クラミジア症
 猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)※  不活化  単味  ○  猫免疫不全ウイルス感染症

  ※2002年アメリカで販売使用の認可がおり日本でも2008年より認可されました。しかし、まだ安全性の面では不安がある事も確かです。


◆<各症状>


▼猫汎白血球減少症(FPL)(猫伝染性腸炎)

 白血球の数が激減して、他の細菌やウイルスに対する抵抗力が衰えてしまいます。子猫がかかると死亡率が9割近いという恐ろしい病気です。 ウイルスは猫の体の外に出ても長時間生きています(乾燥状態にあっても、1年以上も生存する程抵抗性が強い)人間の服や靴などの間接感染もあるので、完全室内飼いの場合も感染の可能性があります。

▼猫カリシウイルス感染症
小型のウイルスが原因で、呼吸器やその他の器官に病気が出るものです。 症状は、流行するウイルスの型によって異なりますが肺炎やヘルペス、関節炎などを引き起こします。

▼猫ウイルス性鼻気管炎
一般に「猫風邪」と言われ、ヘルペスウイルスが感染することによって、風邪のような症状が現れます。ひどくなると、抵抗力が落ち他の病気にも感染してしまいます。 子猫の頃にかかると成猫になっても鼻水やくしゃみといった症状がでやすくなります。

▼猫白血病ウイルス(FeLV)感染症
ウイルスによる白血病です。
白血病は、血液中の白血球や赤血球、血小板がガン化することを言います。
白血病が直接の死因になることは少なく、免疫力の低下により他の病気(特に胸系の病気)で亡くなることが多いです。
ワクチン接種により感染は80%防げるといわれます。
このワクチンについては肉腫になる可能性(1万頭~2万頭に1頭程度)があるといわれますが、現在では、白血病のワクチンだけでなく不活化ワクチンに使用する物質が誘発していると考えられています。 外に出すつもりがなかったとしても脱走してしまったり、よその猫が入ってきたり、他の猫との接触がないとは限りません。ペットホテルなど自分以外の方に任せた場合もあるでしょう。
またこの病気は発症すると3年以内に80%が亡くなると言われています。感染すると1/3は陰転(免疫ができて2度と白血病にはかからなくなること)1/3は発症、1/3は持続感染(ずっとウイルスを持ったままの状態、免疫や体力がおちたりすると発症する可能性がある)となります。
毎回、同じ場所に打つのを避けることで肉腫になる発生率は低くなります。
万が一、肉腫になっても大丈夫なように足に打ってもらうなどの対策をする(足は切断したとしても命は助かります)
白血病が発症し亡くなる可能性を思えば、ワクチンを打った方のメリットの方が大きいと判断したことから当キャッテリーでは4種を推奨しています。

▼猫クラミジア感染症
  結膜炎や流涙、風邪のような症状になります。ひどくなると、肺炎にもなり、流産などの原因になります。


 
◆<ワクチンの分類法>

生ワクチン(弱毒ワクチン)

ワクチン内の微生物(ウイルス)が生きたまま使われる。 接種後から体内で病原体の増殖が始まるので、発熱や発疹などの軽い症状が出る事がある。 発病させるほどには毒力はないが、自然感染と同じように宿主動物に免疫を植えつけることができる。 (副作用があるが、免疫力があがりやすい)

不活化ワクチン(死菌ワクチン)

化学物質などで微生物(ウイルス)のたんぱく質や核酸を変性させ、感染性を消失したものです。 体内で免疫系が異物として認識し反応します。 (副作用は少ないが、免疫力があがりにくい)

 尚、農林水産省動物医薬品検査所のHPに詳しい副作用などの情報があります。



1